2024.02.01

商店街に障がい者施設を開設
様々な人が混じり合う良き地域交流の拠点に

多摩市諏訪名店街
 

多摩市諏訪名店街
会長 永井 照章さん(写真左)
(青木屋 代表取締役)
副会長 影近 卓大さん(写真右)
(+laugh 代表)
2023年12月取材【広報たまちいき129号掲載】

 

 小田急線・京王線の永山駅から徒歩約15分。「多摩市諏訪名店街」は1971(昭和46)年、多摩ニュータウンの誕生とともに設立されました。オープンから50年以上、地域の人々に愛されてきた、加盟店舗19店の小さな商店街です。

 全国的に人口減少が進むなかで、近年、同名店街があるエリアには大型マンションが建ち、人口は増加傾向にあります。さらに、ここ数年でうれしい変化もあったといいます。それは加盟店舗の一つに、心身に重度の障がいがある人のための通所施設「+laugh」(以下、ラフ)が開設され、そこが地域交流の拠点となっていることです。

「もともと、障がいのある方を雇用している店舗はありましたが、2021(令和3)年にラフさんが入居されたことで、さらにいろんな方が利用してくださるエリアになりました」と同名店街会長の永井照章さん。

 現在、商店が並ぶ遊歩道「諏訪永山ふれあいの道」は、地域住民の他、通所利用者やケアする職員、看護師、保育士など様々な人が行き交っています。

 また、ラフの一角には駄菓子屋が併設されており、いつも子どもたちが集まっていることもにぎやかさの理由の一つです。

 同名店街副会長を務めるラフ代表の影近卓大さんは、新たな通所施設をあえて商店が並ぶ通りに構えたといいます。

「街にいろんな人がいる風景を、施設利用者や私たち職員が常に目にできることがとてもいいことだと思うのです。障がいの重い方々が『受け入れてもらっている』という感覚を味わえる経験は多くないのですが、名店街の方々や地域の方々は温かく接してくれています。今では、学校帰りの子どもたちがあたりまえのように来て、施設2階のフリースペースで遊んでいきます。私たちもこの街のためにできることで寄与し、与え合えるよう努めていきたいですね」

 多様な世代の、多様なバックグラウンドを持つ人々が、混じり合うエリアへと共に目指しています。


多摩市諏訪名店街で年に一度開催されるサマーセールには、たくさんの人が訪れる。
東日本大震災以降は、復興支援活動として福島の産物も販売しており、地域住民も「買って応援」を実践している。


「+laugh」の一角には駄菓子屋が併設され、地域の子どもたちがお菓子を買いに来たり、遊びに来たり。
良き地域交流の場となっている。


影近さんと地域の有志で構成される団体「OnTama(おんたま)」が「多摩市商店街キャラバンマップ」を制作・配布。
多摩ニュータウンにある8つの商店街が掲載されており、諏訪名店街もかわいいイラストマップで紹介されている。
「地域内外の人に団地内にある商店街をもっと知ってもらいたくて作りました」。(影近さん談)

 

 

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