2023.06.27
三鷹市

中学生の新しい放課後活動
キャリア教育が未来を切り開く力を育む

みたかジュニアビレッジ 四中ゆないと[2023年2月取材]

今後、技術革新が急速に進み、多くの仕事がAIやロボットに置き換わる社会が来るといわれるなか、人間に求められる力として注目を集めている、「アントレプレナーシップ教育」。

アントレプレナーシップ(entrepreneurship)とは、「起業家的な精神と資質・能力を育むこと」。自分でゼロから事業を起こそうとする精神、イノベーションをもたらし新しい価値を生み出す思考や行動を学ぶことは、起業する人に限らずあらゆる職業、あらゆる人に求められるという考えのもと、これからの社会生活で人間がどのように働き、生きるかを学ぶ教育だ。

多摩地域でいち早くこのアントレプレナーシップ教育に取り組む公立中学校がある。それが三鷹市立第四中学校の「四中ゆないと」。同団体を総合的に運営する、「まちラボみたか」の副代表・四柳千夏子さんと、日々の生徒の活動を見守り、後方支援する「一般社団法人みたかSCサポートネット」の小林広美さん、宮浦輝子さんに話を伺った。
(※2023年6月現在、小林広美さん、宮浦輝子さんの所属はまちラボみたか)

三鷹市立第四中学校「四中ゆないと」 ● https://www.mitaka-schools.jp/yonchu-jhs/sekatsu/20221222145414.html
一般社団法人みたかSCサポートネット ● http://mitaka-sc.net
(※一般社団法人みたかSCサポートネットは2023年6月現在は事務業務委託を終了)

ポイント

課題の背景・活動のきっかけ

●子どもたちの多様で豊かな新しい放課後づくりに向けた市の取り組み“みたかジュニアビレッジ”の一つとして、2021(令和3)年度から実施
●「ジュニアビレッジ」はもともと他社が他地域で実施されていた事業。その特徴は「子どもたちの主体的な活動」「農を中心として取り組む」。三鷹市でもやろうということで始まったのが“みたかジュニアビレッジ”
●2期目の2022年度は、初年度から継続の5名を含む19名の中学生が参加
●初年度さつまいもが不作に終わった失敗を活かし、近隣農家の方に適した土づくりのノウハウや日当たりの工夫などを教わり実践。十分な収穫量の確保に成功

活動の特徴

●放課後時間を利用した、授業でも部活動でもない中学生の主体的な取り組み
●さつまいもの育成と収穫、それを使った商品の開発、販売、収支報告などを一年間かけ実践


●商品はさつまいものロールケーキ「ゆないも」。2023年3月に三鷹中央通り商店街などで販売会を開催


●2期目は商品の内容、価格、パッケージのラベルデザイン、販売方法、PR活動などに加え、原価管理などの会計業務も生徒が担当
●「学校での授業とは違う学びがあること」「地域の大人と関わること」を良い社会勉強と感じる生徒が多い
●成果は「生徒同士で話し合う力」「学年に関係なく互いの多様な考えを尊重する力」「自然に生まれる学び合い」

 

 

目指す未来

地域やまちの人々と関わり試行錯誤しながら得る学びや経験が子どもたちにとって、多様な働き方や生き方を選ぶ際の後押しとなること。
「自分たちでやった」という達成感、思うようにいかないハプニングや失敗体験から「何とかしよう」とする力が、子どもたちにとっては自信を深めていくこと、「自分たちがやっていく」という主体性につながる。そのような子どもたちの姿が地域の大人(サポーター)に伝わり、子どもたちに関わることへの動機づけにもなる。
この取り組みでは、子どもたちだけでなく地域の大人にも新たなつながりが生まれる。地域で大人も子どもが共に学ぶことがまちの活性化になる。

パートナー・関係先

◎甘吉 http://sweets-design.jp
◎三鷹コラル http://mitaka-coral.jp
◎ジュニアビレッジ https://jvglocal.com
◎協同組合三鷹中央通り商店会 https://mitaka-ekimae.com
◎JA東京むさし三鷹地区青壮年部 https://www.facebook.com/ja.mitaka.youth/
◎一般社団法人みたかSCサポートネット http://mitaka-sc.net
◎三鷹市立第四中学校 https://www.mitaka-schools.jp/yonchu-jhs/
◎三鷹市教育委員会 https://www.city.mitaka.lg.jp/c_categories/index03006.html

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