地域の歴史と文化を
次世代につなぐために

八王子市都市戦略部［2021年8月取材］

加速する少子化、価値感やライフスタイルの変化により、祭や伝統工芸など古くから伝わる地域文化の継承が難しくなっている。
それらを次世代へと守り継いでいくには、住民が地域の自然や文化に触れる機会を設け、地域社会全体で郷土愛の醸成に取り組んでいく必要がある。

2017年に市政100周年を迎えた八王子市では、この機に「歴史文化を活かしたまちづくり」を目標に掲げ、日本遺産に申請。2020年6月に「霊気満山高尾山〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜」が認定された。
その後、市は「日本遺産『桑都物語』推進協議会」を発足。八王子観光コンベンション協会、八王子商工会議所をはじめとする多様な事業者・団体が参加し、日本遺産を活用した様々な取り組みを行っている。

桑都物語公式ポータルサイト ● https://japan-heritage-soto.jp

ポイント

課題の背景・活動のきっかけ

●様々な社会状況の変化により、地域文化の継承が困難である。
●地域住民の意識調査において「八王子市の歴史や地域遺産に興味はあるもののよく知らない」との声が多く聞かれた。
●住民が地域の魅力を知り、誇りを持ってもらえるよう、日本遺産認定を広く活用したい。

活動の特徴

●「八王子森林パトロール隊」との連携により、市内の子どもたちが高尾山の文化的価値を知り、発信できるよう様々に取り組んでいる。

●高尾山や八王子城跡、滝山遺跡などで活動するガイドボランティアが、日本遺産や八王子全体の歴史文化を紹介できるよう語り部を育成。
●古くは織物のまちとして発展してきた八王子の歴史を次世代へと継ぐため、市内の繊維産業の歴史、町工場の特色や強みなど現状把握のための調査が行われている。
●桑都物語の構成文化財の一つである八王子芸妓がまちへ繰り出し、「桑都花街物語」として地域の歴史文化などを紹介している。
●桑都日本遺産センター八王子博物館(愛称:はちはく)を運営。日本遺産の構成文化財をわかりやすく紹介している。